噂の女/奥田英郎 あらすじ 感想

金曜日、バルス祭りに参加しました。心の中で。一人きりで。
ツイッターのアカウントは持ってないんでつぶやけなかったけど、
全国の皆さんの「バルス!!」はしっかり見届けました。
ラピュタは幼いころから何十回も見ていますが、何回見ても最高ですね。
なんかありきたりな感想ですが言わせてください。ジブリって最高ですね。
来週は魔女の宅急便ですね。楽しみです。なに祭りになるんでしょうか?




奥田英郎「噂の女」 あらすじ・感想

噂の女 [ 奥田英朗 ]


最近読んだ奥田作品です。

本当はドラマが始まる「ナオミとカナコ」が気になっていたんだけど、
単行本のみだったので、ドラマで楽しみながら文庫化までおとなしく待ちます。
かわりにと言ってはなんですけど、こちらを購入しました。

まずあらすじから。ネタバレなしです。

「侮ったら、それが恐ろしい女で」。
高校までは、ごく地味。短大時代に潜在能力を開花させる。
手練手管と肉体を使い、事務員を振り出しに玉の輿婚をなしとげ、
高級クラブのママにまでのし上がった、糸井美幸。
彼女の道行きにはいつも黒い噂がつきまとい―。
その街では毎夜、男女の愛と欲望が渦巻いていた。
ダークネスと悲哀、笑いが弾ける、ノンストップ・エンタテインメント!

文庫裏より。

かわりに、なんて書きましたが、おかげでおもしろい作品に出会えました。

これはタイトルのつけ方に脱帽ものです。
シンプルで端的。読み進めていくと、なるほどと唸りました。
タイトルはこれしかないなと、なかなか潔い気持ちで読みきることができました。

ではここから感想を。ネタバレに気をつけますが、少し内容に触れます

まず目次を見て、それぞれに噂になるような女が登場する短編集かなと思いました。
少しだけ目次を抜粋すると、
中古車販売の女
麻雀荘の女

という感じで、全て、〇〇の女という章タイトル。
またまたあらすじに”短編集”って書いてなかったぞ、なんて思いながら読み始めましたが、
どうやら全部同じ女のことらしい、と2章めの途中で気付きました。

なぜ2章めを読み始めてすぐではなく途中でかと言うと、
彼女はほとんど”噂”の中でしか語られず、時には実際に彼女と接するシーンももちろんありますが、
この女視点で物語が描かれている章やシーンは一切ないのです。

もちろん、彼女の心理描写なんてあるはずがないので、
いつまでたっても実体をつかめない、まさに”噂の女”なのです。

加えて、彼女の噂を口にしたり聞いたりあるいは目撃したりする人々も、
話の舞台になる現場とともに章ごとに丸々入れ替わります。
なので、飽きずにどんどん読み進め、
気付けば自分も”噂の女”を追っている状態。もちろん登場人物たちの”噂”で。

もっとすごいところは、この噂の女が、章が進むにつれて明らかに強くなっているところ。
”強い”という表現が正しいかどうかはわからないしあんまりしっくりこない(おい)けど、
いわば”悪女””危ない女””何かある女”(←雑)、という印象がだんだん強くなってくる。

なんかその様子が不気味とか怖いとかだけじゃなくて、不思議とワクワクしてくるんですよ。
その女の噂を聞く登場人物たちも少なからずそうなんだろうと思う。
聞けば聞くほど、実際には絶対に関わっちゃいけない女なんだろうけど、
みんなどこかその噂を楽しみにしている。何かやらかすことを待っているよう。

話が進むにつれ、結構ダークな展開になっていくのに、
不思議と上記の感情が湧いてくる。これが奥田ワールドだと思っています。いきなり。

それから、奥田作品に出てくる街の人々は、自然体で、いい感じに鬱陶しくて(こら)、
そんなリアルな登場人物のやりとりを読んでいるだけで、ある程度満足しちゃう。

伊坂さんとか中田永一さんとかが描く、おしゃれで軽妙な会話も大好きだけど、
奥田さんの描く、生々しくて薄汚いチンピラみたいな(こらこら)会話もお気に入りです。感心しちゃう。

ラストは好き嫌いが分かれるんじゃないかなぁとも思いますが、
また違う作品で、まぁ続編で、またこの”噂の女”の噂に出会いたいなと思いました。
……うまくまとめたつもりです。

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