時生/東野圭吾 あらすじ 感想

初詣に行って来ました。遅いとか言わないで。
良い天気でそれほど寒くなくて、出店もたくさん出ていて。
こどもたち、お年玉にぎりしめて楽しんでいました。
長男は厳選してお金の使い道を考えるほうだけど、次男は本能と欲望の赴くまま。手当たりしだい。
くじびき、射的、カステラ、お面。
そしてお金がなくなった頃、本命の指人形釣りを発見。次男、指人形が大好き。
泣き喚く次男に甘い旦那、呆れるわたしと長男。今年も家族健康に暮らせますように。




東野圭吾さん「時生」 あらすじ・感想

時生 [ 東野圭吾 ]


ちょっと昔の東野作品を。このお話、大好き。表紙も素敵。
「秘密」にテイストが似ているというか、少し不思議なお話です。
読後感の清々しさで言ったら断然こっちのほうが良いけど、これまた切なさは同じくらいにあります。

あらすじから。ネタバレなしです。

不治の病を患う息子に最期のときが訪れつつあるとき、
宮本拓実は妻に、二十年以上前に出会った少年との想い出を語りはじめる。
どうしようもない若者だった拓実は、「トキオ」と名乗る少年と共に、
謎を残して消えた恋人・千鶴の行方を追った―。
過去、現在、未来が交錯するベストセラー作家の集大成作品

文庫本裏より

冒頭から悲しいというか重いシーンで、ちょっと覚悟がいる。
でも主人公の回想シーンに入るとさすがのスピード感に溢れています。
ちょっと厚めの本だけど、何日もかからず読めたと思います。

ここから感想を。ネタバレなしです。

上にも書きましたが、冒頭からいきなり主人公の息子が最期の時を迎えるぞという、ラストシーンのような出だし。
こんな日がくることは、主人公も妻も覚悟していた、という少し遡った回想が入り、
主人公の昔の話へと物語は進んでいきます。もうこのへんで既に胸が痛い。

この本も自分が親の立場になってから読んだものでしたので、
妊娠中のやりとりなんかのちょっとの描写でも涙腺が緩んだ。
でもホントに泣くのはもっとあとです。
最後まで読むと、この最初のシーンが余計に切なくなります。

この作品はいわゆる”ミステリー要素”はあんまり強くない(メインじゃない)ので、
東野作品といえば?と訊ねられても1,2番目に思い浮かぶような作品ではないと思う。
でも絶対に読んで欲しい東野作品のひとつ。

涙なくしては、と言うなら、個人的には「手紙」よりこっちを挙げちゃうな。

若い頃の主人公は本当にダメな若者で、まぁ読んでいても魅力を感じない。
このダメな若者中心の回想がメインなので、途中少し中だるみというか、
あとになって思えばもう少し短くできたんじゃない?とも少し思いました。

でも東野さんの書く文章・描写は、くどさがほぼないので内容が冗長ぎみでも乗り切れます。
くどくど長々描かれていると読むのが辛かったりしますが、東野さんの描写はさっぱり系なんで。なにそれ。

でもここの時間は丁寧にというかみっちり描かれていないとダメですからね。
子が親を改心させる。それがテーマですから。(←くれぐれも信用しないでください)。

基本的にこういう感動系のお話はあんまり好きじゃなくて(今さら)、
ここまで褒めておいてあれですけどね、なんか、悔しいですよね、泣くの。
いかにもっていう設定、この物語でいえば息子が亡くなるということだけど、
このみえみえの涙腺崩壊させてやろうって魂胆が気に入らないんですよ、こういう系の物語は。

すごいひどい表現になっちゃったな。謝っておこう、すみません。
でもやっぱり泣いちゃうっていう。

ラスト一行のセリフが粋で、なんていうのかな、物語の性質よりもその粋さに泣けた。
最後にそれを持ってくるのが、もうこっちの涙を意識して万全に調えられたラストシーンだとはわかっていても。
こういう、うまいな、やられたなって感じながらまんまと流す涙は嫌いじゃないです。

東野さんって基本的に物語の終わらせ方がきれいだなと思う。物足りなく感じるときもあるけど。
ラストのその一行、そのシーンに向かってきっちり準備されてるのがわかる。
なかでもこの作品のラスト一行はかなりお気に入り。粋で巧くて気が利いてますよほんと。

なんかそういう物語とはまた別のところでもグッときちゃって泣いちゃうんですよね。

未読の方はぜひ読んでほしい。こんなひねくれたわたしより、きっと綺麗な涙を流せると思います。

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です