終末のフール/伊坂幸太郎 あらすじ 感想

年末ジャンボ宝くじを買いました。なんか久々に。少しだけ。
当たらないと思うし実際当たったこともないのに、買っちゃうんですよね。
お金の無駄かなーとも思ったりするけど、”宝くじは夢を買ってるんだ”と昔聞いたことがあって。
当選発表までのあいだ、あれこれ妄想しませんか?
もし当たったら……とか、あれ買おう・あそこに旅行いこう、とか。
その結構楽しい(個人差があります)夢見る時間を買っている。ということです。
そう、わたしは宝くじを買ったんではないんです。大きな夢を買ったんですよ。




伊坂幸太郎「終末のフール」 あらすじ・感想

終末のフール (集英社文庫)


このブログでは常連、伊坂作品です。まだまだ記事待ちの作品がたくさん。

連作短編集ですかね。タイトル通り、世界の”終末”のお話です。

伊坂作品の中でも有名かと思われます。わたしもよく人にオススメします。
ちゃちゃーっと読めるんで。
”サラッと”って表現をよく使うんで変えてみました。ちゃちゃーっ。

ではまずあらすじから。ネタバレなしです。

八年後に小惑星が衝突し、地球は滅亡する。
そう予告されてから五年が過ぎた頃。
当初は絶望からパニックに陥った世界も、いまや平穏な小康状態にある。
仙台北部の団地「ヒルズタウン」の住民たちも同様だった。
彼らは余命三年という時間の中で人生を見つめ直す。
家族の再生、新しい生命への希望、過去の恩讐。
はたして終末を前にした人間にとっての幸福とは?
今日を生きることの意味を知る物語。

文庫本裏より

この本、各章のタイトルが面白いんですよ。
終末のフール
と同じように、〇〇の〇ール、と韻を踏んでいて。まぁ、それだけなんですけど。
ちょっと強引じゃない?っていうタイトルのもあるんで、
気になった方はぜひ本を読んでみてください。←どんな薦めかた。

ここから感想を。ネタバレなしです。

どの章も共通して「家族」の物語です。
伊坂さんの紡ぐ「家族」の物語はやっぱりあたたかい。「人」があたたかい。

全部で8話収録されていますが、個人的に「冬眠のガール」が1番好き。

「ヒルズタウン」の住民達をベースにしているので、登場人物たちが章を跨いで現れたりします。

世界の終わりを描いた作品はたくさんあるけど、こんなアプローチの仕方もあるんだなと感心。
明日世界が滅亡しますよとか、あと何時間後に小惑星がとか。
そこから始まる物語がほとんどだった気がするけど、この作品は”小康状態”でのお話。
一度大騒ぎになった世間が少し落ち着き、それでも迫りくる未来は変わらない。

なんか想像してみると不思議な時間だな。
世界の終わりはあしたあさってはなくて、3年後。(発表されたときは8年後)。
猶予があることによって、勘違いしてしまいそうだ。未来は今まで通り続くって。
でも確実に3年後に世界は終わるんだよなー、と考えると、うん、不思議。

でもこの状況は小説の中の特別な作られた世界ではなくて、
わたしたちが生きる命、そのものなんですよね。あれ、いつになく真面目な方向に。

命には限りがあって必ず最期はくるし、それはあしたかあさってか、何十年後か。
そんな至極当たり前のことをほとんどの人は頭の隅に追いやってるんじゃないかな。
明確な終わり、それまでの期限をつきつけられて初めて死と向き合う。
それじゃきっと遅いんだろう。日々感じていないと、もったいないかも。
そういうことに改めて気付かせてくれる作品です。うん、うまくまとめられた気がする。

受け入れることと諦めること、絶望のなかで生まれる希望。
立ち向かうというよりは最期まで”生きる”ということ。

たくさん詰まった作品でした。

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