夏のレプリカ/森博嗣 あらすじ 感想

年末ジャンボ宝くじがはずれました。夢って儚いですね。
家事は必要最低限しかしないし、時間があれば読書。もしくはタカラヅカのDVD。
こんな生活している人間にいきなり大金がふってわいてくるわけがありません。
神様っているんですね。←
夏あたり、また夢を買おうと思います。夢なんだし。夢見てもいいよね。




森博嗣「夏のレプリカ」 あらすじ・感想

夏のレプリカ [ 森博嗣 ]


お久しぶりのS&Mシリーズ作品。季節は無視しましょう。

前作、「幻惑の死と使途」と同時期に起こった事件が描かれています。

英題は「REPLACEABLE SUMMER」。

前作といわば”対”になっている作品なんですけど、個人的にこっちのほうが好み。

ではあらすじから。ネタバレなしです。

T大学大学院生の簑沢杜萌は、夏休みに帰省した実家で仮面の誘拐者に捕らえられた。
杜萌も別の場所に拉致されていた家族も無事だったが、
実家にいたはずの兄だけが、どこかへ消えてしまった。
眩い光、朦朧とする意識、夏の日に起こった事件に隠された過去とは?
『幻惑の死と使途』と同時期に起った事件を描く。

文庫本裏より。

そろそろS&Mシリーズも残りわずかになり、記事を書くのがなんだかもったいなくて。
シリーズのあとになればなるほど一冊の厚みも増してる気がします。

前作は”奇数章”だけで進みましたので、こちらは”偶数章”のみが描かれています。
”偶”から始まる各章のタイトルもなかなかおしゃれ。意味はあんまりわからないけど。おしゃれすぎて。響きが知的すぎて。

ここから感想を。ネタバレなしです。

この作品はS&Mシリーズのなかでも割と好き。自分の中で上位にランクイン。
「笑わない数学者」と同じくらいに好きです。甲乙つけがたいですね。

タイトルもここまでのシリーズ作に比べるとシンプルで、その分、読後の切なさが際立ったな。

この作品の主人公は萌絵と犀川先生というより、萌絵の友人・杜萌がメイン。
なので途中まで萌絵が出てこないし、もちろん推理も行われないので、前半は少し退屈になりがち。
萌絵の暴走っぷりに辟易していたのに、いなければいないで寂しい。萌絵ちゃんすごいね。

しかも犀川先生にいたってはほとんど出番がなくて、もちろん萌絵との会話も少なめで、
”二人のやりとりを楽しむシリーズ”と位置づけているわたしには、ちょっと我慢ならなかった。←

登場人物の話を少し。
今回、萌絵の叔母さまがけっこう絡んでくるんですけど、やっぱりキャラが強烈。
ドラマ版では叔母さまでてきたっけ?「Fになる」の回で見るのやめちゃったからなぁ。
読んでいると、どうしても高畑淳子さんで脳内再生されちゃう。ぴったり。やってほしい。

で、肝心の事件のこととかですが(テキトー)、正直あんまり事件自体に興味が湧かなくて、
推理とかもあんまり考えなかった。

じゃあ何が気になって読み進めたのかというと(だってS&Mのやりとりもないし)、
杜萌がやたら気にしている”あの夏の記憶”です。
実際、事件の真相がわかってもスッキリ感はなくて(個人的な感想です)、
簑沢家の一家が隠しているかもしれない何かとか、杜萌が怯えている夏の記憶とか、
その辺のことのほうがきっとこの物語の肝なのかなぁ。少なくともわたしにとってはそうでした。

終盤はけっこう辛い展開が待っている。森先生、反則だぞと言いたくなる。

あと、萌絵と杜萌のチェスのシーンがあるんだけど、チェスのルールを知らない自分を呪いました。

このシーン、萌絵の視点で描かれていないのが最高にいい。
萌絵が何考えているかわからないから。杜萌と同じような気分になれるし、
杜萌の心理描写も独特で、捉えどころがなくて、チェスの白と黒がチカチカするような感じで、
森先生すごいってなる。
チェスを知ってる人ならもっと空気を感じられたはず。

”私のクイーンを取りにこい。”

お気に入りの描写です。もちろんクイーンが何か知らないけど。

それから最後の、やっと楽しめた萌絵と犀川先生のやりとり。よかったです。
萌絵の最後のセリフがとってもいい。二人が逆転したような感じが微笑ましい。

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