残り全部バケーション/伊坂幸太郎 あらすじ 感想

長男がドラえもんにハマッています。猫型ロボットね。
アニメだけじゃ足りず、おこづかいでコミックも集めだした。
某レンタルビデオ屋さんでもドラえもんの映画ばかり選ぶ。
雲の王国がおすすめだよって教えたら嬉しそうに借りていた。
家で弟と鑑賞し、すぐに二人でざわざわしだし、真顔でわたしに一言。
「ドラえもんの声、なんか変じゃない?」
……どう説明すればいいですか?声優さんの世代交代を。小学一年生に。





伊坂幸太郎「残り全部バケーション」 あらすじ・感想

残り全部バケーション [ 伊坂幸太郎 ]


今年1作目の読了作品。やっぱり年初めは伊坂さんですよねー。
前回、久々に読んだ「ジャイロスコープ」でちょっと伊坂さんを疑ってしまったんで(どういう意味)、
この本を買うか結構迷いましたが。

タイトルからも表紙からも楽しさがにじみ出てるんで、やっぱり買っちゃった。

まずあらすじから。ネタバレなしです。

当たり屋、強請りはお手のもの。あくどい仕事で生計を立てる岡田と溝口。
ある日、岡田が先輩の溝口に足を洗いたいと打ち明けたところ、
条件として“適当な携帯番号の相手と友達になること”を提示される。
デタラメな番号で繋がった相手は離婚寸前の男。
かくして岡田は解散間際の一家と共にドライブをすることに―。
その出会いは偶然か、必然か。裏切りと友情で結ばれる裏稼業コンビの物語。

文庫本裏より。

ページを開き目次を見て少しがっかり。一章目が作品名だった。
短編集かよ!と少々乱暴なつっこみが心の中で弾けましたよ。もう。
ジャイロスコープがあんまりだったんで、長編がよかったのです。

のっけから心が少し折れた感じで読書スタート。そして二章めを読み始めて気付く。
あれ、連作短編だー!!と盛り返しました。

ここから感想を。ネタバレなしです。

結論から言うと、とってもよかったー!!やっぱ伊坂さんですよね。よかったよかった。
まぁラストの締め方は好き嫌いがわかれるだろうけど、
「バイバイ、ブラックバード」のラストが大好物なわたしにとっては、この上ない終わり方でした。

そこで終わるんかーいって言わせてくる煽りかた。このドキドキの行き場はっていうあの感じ。

物語の終わりはそれで良いとして、各章の終わり方については若干中途半端だった。
謎が謎のまま、明確に解けることのないまま憶測だけで終わっちゃってるものもあり、
そこはきっちり繋げるというかはっきりさせてほしかったかな。

伊坂作品だからと、深読みして回収されるのを待っていたけどほったらかしにされた感。
まぁこの辺も賛否両論あると思いますが、終わりよければ全てよしですよね。

全部で五章ありますが、1つずつ書くと長くなるしネタバレしちゃいそうなので、
全体的な感想に留めておこうかと思います。

まず表題になっている、残り全部バケーション。

残り全部バケーション。語呂がいいですよね。響きもよし。

あらすじにある悪党・岡田と溝口が各章に登場して物語を構成しています。
どのお話もメインになる人物は他に出てくるけれど、
物語を動かしているのは間違いなくこの二人。

章が進むにつれ、本来悪いヤツの溝口にどんどん愛着が湧いてくる不思議。
伊坂作品で楽しむべき会話のテンポも面白さはこの作品でも健在ですが、
それを担っているのはこの本でいえば間違いなく溝口。
彼のキャラがとっても活きていて、”楽しい””可笑しい”をたくさん引き出してくれます。

伊坂さんの魅力といえばもうひとつ、伏線回収ですが。
今回は少なめというかおとなしい印象に思えたのはわたしだけですかね?
でも連作短編ということで、章を跨いでの回収も楽しめて満足です。

読み終わったあと、あー楽しかった!と声が出ちゃうような作品でした。

世界観を引きずっちゃうおもーいくらーい話も好きだけど、
時には楽しくて明るくてばかばかしい世界も覗き見したい。

そうそう、こんな伊坂作品が読みたかったんだよなーと、清々しい気持ちで本を閉じました。
新年一作目、満足できる読書タイムを過ごせて幸せでした。伊坂先生ありがとう。

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