去年の冬、きみと別れ/中村文則 あらすじ 感想

読書意欲がとまりません。すなわち現実逃避なんですけどね。
ここ最近、特に本を読みたい欲求がずーっとある。読んだそばから俄然湧いてくる。
なんなら読書中も本が読みたくなっちゃう。集中しろー。
とりあえず、超能力でも使えて同時に何冊も読めたらなー。
なんていう、無駄な思考の時間を読書にあてるところからとりあえず始めます。





中村文則「去年の冬、きみと別れ」 あらすじ・感想

去年の冬、きみと別れ [ 中村文則 ]


「何もかも憂鬱な夜に」以来の中村文則さん。
「何もかも~」の感想記事に書きましたが、そのときはあんまり自分に合わなくて、もうこの作家さんの本は買わないかなと思っていたのですが。
楽天でまたおすすめされちゃって(誘導されただけ)、あらすじを見て購入。

ではまずあらすじから。

ライターの「僕」は、ある猟奇殺人事件の被告に面会に行く。
彼は二人の女性を殺した罪で死刑判決を受けていた。だが、動機は不可解。
事件の関係者も全員どこか歪んでいる。この異様さは何なのか?それは本当に殺人だったのか?
「僕」が真相に辿り着けないのは必然だった。なぜなら、この事件は実はー。
話題騒然のベストセラー、遂に文庫化!

「BOOK」データベースより

ほら、なんか、ミステリーっぽいですよね。あらすじ。ミステリー好きならうずうずしませんか。

ここから感想を。ネタバレなしです。

「何もかも~」の感想文で“自分には合わない”ときっぱり書いておきながらまた手を出したわけですが、
楽天さんよくぞおすすめしてくれました!と、感謝したいです。

作家さん(あるいは作風)に対して苦手意識を持っていたので、自分からは絶対あらすじを見たりしなかっただろうし、
タイトルからもミステリーっぽい香りはしてこないから、見かけてもスルーしてたはず。

結論から書くと、おもしろかったです。
まぁ、その、最高!好き!まではいかないけど(余計な一言)、こちらの展開予想とかを悉く裏切ってくれて。

何より、タイトルのつけ方が最高。私タイトルフェチなんで。って、それを差し引いても。

タイトルから始まっているんですよ、ミステリーは。急にどうした。

タイトルの意味や表情、見えている角度とか、作品を読み終えたあとにガラリと変わるような、そんなタイトル。
そういうの好きなので、それだけで拍手したくなるほどうまいつけ方だなぁと、真相にたどり着いたときには若干興奮しました。
なるほどね、そっち側のお話だったのね。みたいな。

そういえば、前回気になった句読点の位置も全く気にならなかったな。

それから、小説の長さもちょうどよかった。
この作品の世界観に必要な情報量。何もかもすっきり!って解明されるわけじゃないので、その分、賛否両論あるかもしれないけれど。
登場する組織や人物や事件の細かなことやらについて書かれていたら、それはそれで蛇足だったと思う。
ページ数や空気の方向性など、個人的にすごくバランスがいい作品だった。

内容についてはあんまり書けませんが、何やら狂気じみていて不穏な空気から一転、読後はまぁ切ない。
“ミステリーっぽい”ところに惹かれて読んだけど、“ミステリー”に重きを置いている作品ではなかったんだろうな。
それは作者さんの個性って言うか、心がその部分に表れている気がする。

中村文則さんの作品を読むのは二つ目。
読んでよかったなって満足できる本に出会えるのは読書家にとってかなり幸せなこと。
その出会いのチャンスをみすみす逃すような、一作だけ読んで“合わないな”と切り捨てる行為は、とんでもなく愚かなことだと胸に刻みました。心入れ替えよう、そうしよう。

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