紙の月/角田光代 あらすじ 感想 ネタバレあり 後半

ではでは前回の続きを書いていきます。

角田光代さんの「紙の月」感想後半。ネタバレ含みますのでお気をつけくださいね。

作中で、彼は梨花に”贅沢できなくても笑って暮らせて行ける、梨花さんとなら”
みたいなニュアンスのことを言い、梨花もそんな暮らしもいいななんて思うのに、
結局それを選ばなかったし、きっと二人には無理だった夢物語みたいなもの

毎週末彼とスウィートルームに泊まり、それに飽きたらマンションを借り何もかもを揃え、口にした願望は全て実現させる。
そっちのほうが何倍も夢物語のようなのに、梨花はそちらこそが現実で日常なのだと信じて疑わない。

光太は光太で、最初っから甘ったれたやつだなと(失礼)思っていましたが、
表面的に見る限りどんどんダメな若者代表みたいになり
しかし最後に「ここから出して」と泣く場面なんて、勝手に出らんかいと突っ込みたくなりました。

目の前に用意されている都合の良い現実を当たり前に受け取り、
そのくせ、自分は何も自分から望んでませんと言ってのける狡さだけはもれなく備えている。
いつだって大人に助けを求めているくせに、
大人になんかなりたくないなんて言い出しそうな女子高生かお前は。

(不適切な表現があったらすみません、ほんと)。

結局、梨花が悪い男に引っかかったのか、光太が悪い大人に引っかかったのか。

ただ会いたいだけだったなら、一億円なんて必要ないですよね。

二人の時間の中に”非日常な日常”を望んだのは梨花だし、光太もそれをいつしか当たり前に捉え、
なのにそこから出してほしいと泣く。誰かみつけてと梨花も思う。

二人の間にあった、梨花が”特別”に感じていた”絆”はどんな形だったのでしょう。

仕事を決めることや、友人と何を食べるかすら自分ひとりでは決断できなかった梨花なのに、
一億円を自分ひとりで横領した。やり方もどんどん手が込んでくるし、かと思えばなりふりかまわずに奔走したりもする。
それは光太のため?自分のため?二人の時間のため?

梨花は夫との間に違和感を感じたときも、目をそむけ向き合わなかったし、
ずるずるとお金の引力に引き込まれて不正を行うことに対しても、ほとんど反省も後悔もしません。

とんでもないことをやってしまったな、もうこれで最後にしよう、今なら引き返せるぞ、みたいな心の葛藤がなく、
やれるだけのことをやるって感じで突っ走っていく。
反省も後悔も葛藤もほとんど出てこない、描写されている多くは欲望や渇望。

全く理解できない、自分とは違う世界の話のようにも思うし、梨花には同情も共感もわたしはできませんが、
人がお金におぼれていく時はこんな感じなんだろうなと、なんとなく納得してしまう。
それが人間のリアルなんだなと

いつも以上にまとめるのが下手くそになりましたが、こんな感じです。(恒例の無理やり感)。

それから、この作品にでてくる人たちはみんな、決してお話の中の住人ではなかったです。

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です