仮面病棟/知念実希人 あらすじ 感想

歯科医院難民になっていました。小一時間ほど。
次男の歯茎がぷっくりかたく腫れていたので、朝一番に受診しようと思いまして。
近くの歯医者さんを検索するとどっさり。歯科医院って多いんですね。
いくつか電話してみるも、予約がいっぱいで今日は無理です、と続けざまに断られました。
4院目くらいで心がぽっきり折れた。
なぜ。なぜだ。なぜ歯医者さんへ行くのがこんなに難しいのか。
もうこれで最後、と電話したところで、予約いっぱいなのでかなり待ってもいいならどうぞと言われ行きました。
すぐ行くと誰もおらず。受付後3分で呼ばれました。歯医者のしくみがわかりません。





知念実希人「仮面病棟」 あらすじ・感想

仮面病棟 [ 知念実希人 ]


またまた初めましての作家さん。
ランキングで見かけてから気になって購入。
なかなかこういう(どういう)気分にならなくて少しの間、本棚でねむってましたが。
手にとるといっき読み。楽しかったです。

ではあらすじから。ネタバレなしです。

療養型病院に強盗犯が籠城し、自らが撃った女の治療を要求した。
事件に巻き込まれた外科医・速水秀悟は女を治療し、脱出を試みるうち、病院に隠された秘密を知る―。
閉ざされた病院でくり広げられる究極の心理戦。
そして迎える衝撃の結末とは。
現役医師が描く、一気読み必至の“本格ミステリー×医療サスペンス”。
著者初の文庫書き下ろし!

文庫本裏より。

現役医師さんで作家さん、って人けっこういらっしゃいますよね。
どの作家さん?って聞かれるとそんなにパッとでてこないけどさ。海堂尊さんくらい。

医療サスペンスってあらすじにあるけど、医療色はそんなに強くないと思った。
心理戦、ともあらすじにあるけど、うーん……。という感じ(なにそれ)。
でも面白かった。初めて読む作家さんの作品がおもしろいとすごく嬉しい。

ここから感想です。ネタバレなしです。

病院の隠された秘密って言われるとだいたい見当ついちゃいませんか。
医療サスペンスや医療漫画って最近多いし、そうなれば扱われる題材もありふれちゃうし。
なのでこの”秘密”は序盤でだいたいの人がわかっちゃうと思うんですが、
というかわかるような描き方をされているんですが、まぁ問題ありません(そんなバカな)。

そこの”秘密”一本に頼り切っている構成じゃないし、謎はたくさん用意されている。
なおかつヒントもたくさんあり、これわざとだろうなっていう場違いな描写も含め、
うまく誘導されながら、その自覚も楽しみながら、読み進めることができました。

なので読者は常に主人公の半歩前くらいの位置から物語を見ている感覚。
そして終盤にかけて、知らぬ間にその立ち位置が逆転してくるんですよね、うまいこと。
先が読めるわけじゃないし、わかりそうでわからない、その加減がちょうど良かったな。

強盗犯はピエロの仮面をかぶっています。それで「仮面病棟」なのかなと思っていたけど。
でも「仮面」はひとつじゃなかった。”病棟”だもんね。たくさんいるよ。ネタバレじゃないよ。←
なんかそれをわざわざ文章・文字にしないところが、この作者さんかっこいいなと思った。

文章もクセがないし無駄がない。いや、無駄はあるんだった。しかもわざとだ。
でもスラスラ読めちゃう。大仰な描写もないのにハラハラしたり。
その場の言葉ひとつで表すんじゃなくて、事が起こる前から作られていた用意周到な臨場感。

いわゆる”じわじわくる”ってやつなのかな。とってつけたようなハラハラじゃなくて。
それはもう表紙から、タイトルからこちらの気持ちを煽っていたんだと思う。

あらすじにある”心理戦”って、主人公vs犯人ではなくて、作者vs読者のことなのかもしれないな。

ラストはそうくると思わなかった。立ち位置のことを上に書いたけど、
半歩前ってところから次に肩を並べ、ごく自然に抜かれていつの間にか逆になり。
そして最後は完全に置き去りにされたもんね。それはもう鮮やかに。お見事です。(誰だよ)。

傑作だー!!!とはならないんだけど(よけいな情報)、面白かったなぁとしみじみ思う作品。

ストーリーだけではなくて、上に書いたことを感じながらの読書時間はすっごく楽しい。
こういう作品、こんな描き方をする作者さんに出会えると、読書をもっと好きになれて幸せです。

長々書きましたけどね、たった一言で済ませます。自分好みの一冊でした。みなさんもぜひ。

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