詩的私的ジャック/森博嗣 あらすじ 感想

夜中の雷コワイ。光ってから鳴るやつコワイ。
カーテン閉めたら光るの見えないけど、
それはそれで「今から雷鳴響きますよ」っていういわば予告を失うことになって、
雷鳴に対して心の準備が間に合わなくなる可能性がありますからね。
カーテン閉めるだけなのにそんな勇気がいるとは。




森博嗣「詩的私的ジャック」 あらすじ・感想

詩的私的ジャック (講談社文庫)



はい、S&Mシリーズ4作目です。
うっかり古いほうの表紙版で買ってしまい、かなり落ち込んだ記憶があります。
真っ白に理数系っぽい図とか文字が並んでいる、無機質でオシャレな表紙が気に入っていたので。

まずあらすじから。ネタバレなしです。

大学施設で女子大生が連続して殺された。
現場は密室状態で死体には文字状の傷が残されていた。
捜査線状に浮かんだのはロック歌手の結城稔。
被害者と面識があった上、事件と彼の歌詞が似ていたのだ。
N大学工学部助教授・犀川創平とお嬢様学生・西之園萌絵が、
明敏な知性を駆使して事件の構造を解体する!

文庫本裏表紙より。

英題は「JACK THE POETICAL PRIVATE」です。

”詩的”と、きてるだけあって、前3作品とは雰囲気が違った印象
だけどやっぱり萌絵の暴走ぶりは健在でした。
もうね、犀川先生お気の毒……と言わずにいられないエピソードありです。

では感想を。ネタバレなしです。

シリーズの中ではあまり好きなほうではなかったかな。
シリーズの4作目ということで、期待しすぎたというのもあるかも。
このシリーズは”理系ミステリー”って括りで読んできたので、ここへきて”詩的”とは。
お気に入りにならなかった一番の原因はそこだと思う。
森さんの描く”詩的”がわたしの好みじゃなかった。

犀川先生と萌絵の間に流れる空気さえもいきなり甘くなった気がした。そこは嫌いじゃないけど。

事件については、またまた密室でおこるんですけど、
トリックは、これまた知識のないわたしには「へぇ〜」程度の感想しか出てこなかったです。おばかだから。
そんな世界(分野)もあるんですね、と。

でも大丈夫(なにが)。

今作の謎としてメインに扱われるのは、
「どうやって密室にしたのか?」ではなく、
「なぜ密室にする必要があったのか?」という点。
犀川先生はそこからアプローチしていきます。

今まで萌絵が事件に関わっていこうとするのをあまりよく思っていなかった犀川先生が、
けっこう積極的に謎を解こうとして。
そしてそんな自分に自分でツッコミを入れる犀川先生。嫌いじゃないです。

まぁ事件やトリック、動機なんかはいつも通り、わたしの中では二の次なんで(このシリーズに限っての話ですが)、
犀川先生と萌絵のいつもより一歩踏み込んだ会話が楽しめたのでよかったです。
最後のちぐはぐな会話は、見てるこちらからすれば楽しいんですけどね。
犀川先生、お疲れさまです。

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