祈りの朝/矢口敦子 あらすじ 感想

次男が6歳になりました。あっという間だなぁ。

誕生日プレゼントは何が良いかという質問に、「おままごとセット!でっかいやつ!」と、意気揚々と答える6歳の次男くん。

某トイザらスのおままごと関連商品棚の前で真剣に悩み選ぶ、6歳の次男くん。

そのちぐはぐな光景に笑いをこらえる長男を横目に、無事“おままごとコレクション”を増やせて満足そうな、6歳の次男くん。(しつこい)

なんか、ほら、君の将来を考えていろいろ心配にもなるけどね。

これからも(乙女チックに)のびのび育ってください。




矢口敦子「祈りの朝」 あらすじ・感想

祈りの朝 [ 矢口敦子 ]

以前に紹介した「生きてるうちに、さよならを」の帯文に書かれていた紅白対抗文庫合戦の“どんでん返し対決”の、まさしく対抗馬。
ちなみに初めましての作家さん。

まずあらすじから、ネタバレなしです。

高校教師の安優海は、臨月を迎え産休中。
大学研究職の夫が寝言で女性の名前をつぶやき、浮気を疑い始める。
研究室の女性ではと疑心暗鬼になり、定期健診の後、夫の職場に向かおうとするが…。
同僚教師の傷害事件を知らされたり、卒業生と偶然再会したり、予測不可能な事態が次々に起こり…。
東日本大震災からの再生と家族の希望を描く感涙ミステリー。
心揺さぶる衝撃の問題作。書き下ろし。

「BOOK」データベースより

これはですね、“ちょっとどうかと思うあらすじの書き方”(なにそれ)をしてると思います。

最後から二行目。絶対に要らないと思う。ほんとにそう思う。



そんな感じでここから感想へ。核心部のネタバレをします、未読の方はお気をつけください。
そしてかなり個人的で批判的な感想なので、嫌だなって方はお戻りくださいね。

まず大前提として、この本で一番“隠しておかないといけないこと”は、他ならぬ“東日本大震災”なんですけど、それをあらすじに書いちゃっている時点で、ほんとちょっとどうかと思うんですよね。

言ってみれば作中の伏線の答えをあらすじで先にばらしちゃっているようなもの。

で、なんでこんなあらすじの書き方をしたのかな?って思ったんです。

だって、「東日本大震災からの再生と~」の文がなくったって十分内容は伝わるし読書意欲もそれなりに刺激されると思う。

なのにわざわざ作中の重要なネタバレになるような書き方をしていて、しかもそれは実際に起こった災害のことで。

すっごい不謹慎だなと思った。なんかすごい腹が立った。

言い方悪いけど、それで読者を釣ろうって感覚がすごい腹立つ。

この一文はあらすじには完全に蛇足だし。

喰いつくだろうと思ってそこに載せてるとしか思えなかった。

とまぁ、あらすじについての文句はここまでにしておくとして。(あくまで個人的な意見です)。

でもこの本に対しての嫌悪感はあらすじだけに留まらず。作中での“東日本大震災”の扱い方にも不満がある。

私、この本を買う前に重松清さんの「また次の春へ」を読んでいたから、余計に腹立ったのかも。

同じ“東日本大震災”を扱った作品でも、アプローチの仕方がぜんぜん違う。
それだけならまったく問題ないけど、この作品の中で扱うのにはとんでもなく違和感があった。

私はこのSF要素がふんだんに盛り込まれた設定自体は嫌いじゃないし、それと大震災を絡めることにも文句はないし、突然何もかもを失った人の心が壊れて……っていうことも十分理解できるけど。

再生、感涙と謳っているわりに、重きを置くところを間違えている気がしてならない。

途中の“次々起こる予測不可能な事態”も、なんならいらないと思ってしまうくらい、必要性が見出せなかった。

これがどうしてその“東日本大震災からの再生と家族の希望”と関連性があるのか。作中の謎より謎。

で、どんでん返しを期待したラストはとーっても消化不良。

いや、そりゃ祈りの朝だけども。っていう自分のくだらないツッコミしか残らなかった。

大震災を題材にしていて、でもこんなに素敵なタイトル。

もっと違う形の物語が見たかったなと思いました。

途中までほんとにどんどんページを捲ったし、謎めいた世界観は好きだっただけに、余計に残念でした。

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