幻惑の死と使途/森博嗣 あらすじ 感想

知らぬ間に10月になっていました。嘘でしょ。
あと3ヶ月で今年も終わるらしいですね。信じられません。
だってついこの前、入学式と入園式があったのに。桜咲いてましたよね。
超常現象としか思えません。時間の流れがこわい。




森博嗣「幻惑の死と使途」 あらすじ・感想

幻惑の死と使途 (講談社文庫)


森博嗣さん恒例(このブログ内だけ)、S&Mシリーズ6作目です。
またまたおしゃれ表紙。英題は「ILLUSION ACTS LIKE MAGIC」

このシリーズも折り返し地点というあたり。
この作品はちょっと面白い構成になっています。ぜひ楽しんでほしいと思います。

まずあらすじから。ネタバレなしです。

「諸君が、一度でも私の名を呼べば、どんな密室からも抜け出してみせよう」
いかなる状況からも奇跡の脱出を果たす天才奇術師・有里匠幻が衆人環視のショーの最中に殺された。
しかも遺体は、霊柩車から消失。
これは匠幻最後の脱出か?
幾重にも重なる謎に秘められた真実を犀川・西之園の理系師弟が解明する。

文庫本裏より。

上にも書きましたが、この本はちょっと変わった構成。奇数章のみ描かれています。

ページを開くと目次があり、第一章の次は第三章、その次は第五章。
しかも章の題名は全部「奇」から始まります。
抜粋しますと、第一章「奇趣の予感」、第二章「奇絶の舞台」、第三章「奇怪な消失」、といった感じ。

面白そうでしょ?

で、じゃあ偶数章、つまり第二章、第四章などはどこへ?となりますよね。
これは同じS&Mシリーズの7作目、この本の次の作品「夏のレプリカ」で描かれているのです。
つまりこの「幻惑の死と使途」と次作「夏のレプリカ」は対になっています。

別々に読んでも物語はそれぞれ独立しているので楽しめますし、
二つの本を手元に用意して奇数と偶数の章を交互に読んでもまた楽しいです。
森博嗣さんって天才か。

前置きが長くなりましたが感想を。ネタバレなしです。

ここまでほとんど(全部かな)密室で事件が起こって来ましたが、なんと今回は衆人環視のショーの最中で。
ちょっと今までとは違う感じかなと思いましたが、動機やらなんやら(何だよ)は森ワールド健在。

キーとなるのは「名前」。”ものには、すべて名前がある”

まぁ登場人物の名前でいうとね、ちょっとややこしい。有里さんいっぱい。
いやたぶんわたしがおバカだからなんですけどね。
なんせ映像じゃなく文字なんで、漢字の名前だとイメージしやすいし、
そこにたまにひらがなの名前が混ざっていても差別化しやすいんですよ、頭の中で。
でもカタカナばかり出てくるとお手上げになっちゃう。なんかカタカナって全部同じに見えちゃうし。(病院行け)。

そんなわけでキャラの区別がなかなか自分の中でできず、中盤辺りまでは読むのに苦労しました。

でも謎解きのあたり、トリックや真相なんかはシリーズの中では1番好きかも。まさに幻想。

今回の謎解きは、萌絵がほとんどやってしまうんですが、その後で犀川先生が”別の解釈”を話してくれます。
これがもう鳥肌ものでした。

解釈の内容どうこうじゃなくて、犀川先生が話すから、良いんです。
彼の話を聞いて萌絵があることを思い出すんです。切なかったな。

そしてこのシリーズでわたしが1番好きな、犀川先生と萌絵の会話ですけどね。
甘い。甘ったるい。なんていうのかな、こ洒落た甘さ。萌絵のいつも以上のKYさにイラッときますが。
いいんですよ、犀川先生は裏切らない。誰をだよ。
ちゃんと萌絵のわがままというかむちゃぶりに平然と付き合ってあげる犀川先生が愛おしくなってきましたよ、とうとう。

これからの二人から目が離せませんね。←なんか違う。

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