無花果とムーン/桜庭一樹 あらすじ 感想

長男の新しい靴を買いにいきました。成長スピード速いよ。

“光る靴”がほしいらしく、反射の加減で光ってるように見える靴のことかな?と思っていました。

長男、靴屋さんで「横に丸い石がついてるんだけど」と、よくわからんことを言いながらキョロキョロ。

わたし、目の前にあった靴を手にとって「石ってこういうの?」と聞いてみた。

サイドにすっごく小さな丸い粒みたいなのがついていて、まぁ見当違いだろうなと思っていたけど一応。

そしたら長男、おもむろにその靴をわたしの手からとると、いきなり靴屋さんの床にバンッと軽く叩きつけた。

何をやっとんじゃー!と怒鳴る前に、なんとその叩きつけられた靴(の小さい丸い粒)、ピカピカ光りだした。

「これ」と冷静な長男。思ったよりピッカピカな光る靴に驚く旦那、わたし、次男。

ねぇ、なんでそんなに“光るかどうかの確認作業”に慣れてるの?(そこ)





桜庭一樹 「無花果とムーン」 あらすじ・感想

無花果とムーン (角川文庫)

久しぶりに桜庭作品の紹介を。

最近、いろんな作家さんの本を読むようにしてるけど、桜庭一樹先生は私の中で特別。

あと伊坂先生もね。乙一先生も。あ、森先生もだ。湊先生もテッパンだしね。それから薬丸先生もだし、それからキリがないので自重



まずあらすじから。ネタバレなしです。

お兄ちゃん、なんで死んじゃったの…!?
あたし、月夜は18歳のパープル・アイで「もらわれっ子」。
誰よりも大好きなお兄ちゃんの奈落に目の前で死なれてから、あたしの存在は宙に浮いてしまった。
そんな中、町で年に一度開かれる「無花果UFOフェスティバル」にやってきたのは、不思議な2人連れ男子の密と約。
あたしにはどうしても、密がお兄ちゃんに見えて…。
少女のかなしみと妄想が世界を塗り替える傑作長篇!

「BOOK」データベースより

桜庭さんは“少女”を描くのが上手いけど、“兄妹”も味があっていいです。

まぁ万人受けはしないだろうけど。味ありすぎて。(どういうこと)



ではここから感想を。ネタバレなしです。

万人受けしない、と書きましたけど、この作品もきっと例外でないと思います。

他の桜庭作品と比べてみても、ダントツ甘ったるい世界観だと思う。

これは桜庭作品に慣れてる方でもくどく感じちゃう可能性がある。

内容は決して甘いお話じゃないです。

むしろ登場人物にとっては辛く悲しい時間でしかないはずなんだけど、世界、匂い、空気、全てが甘い。

主人公・月夜の語りは甘くて甘くて酔いそう。

ちなみにここで言う“甘い”は、初恋のあの(どの)爽やかな甘さではなく、熟成しきった果物が放つ甘ったるい匂いに近い感じです。

お気づきかと思われますが、わたしは比喩・例えがへったくそなので、そのあたりご理解ください。

ほんとこんな文章力と語彙力でブログを書いてすみません。(いつになく自虐的)

話をもどしまして、この本で鍵になってくるのが主人公・月夜の抱える“秘密”。

でもこれ、桜庭先生隠す気ないよね?くらいフラグたちまくり、だから真相がわかっても驚きとかなくて少し残念だった。

ミステリー要素は少なく、SFとかファンタジック寄りかな。

その少し現実離れした世界観が、最愛の兄を亡くし彷徨う月夜の精神状態と上手くリンクしていた。

それをふまえると、“謎”よりも“月夜”の精神を探す・見つける物語として読むのが正解だったのかも。

すぐミステリー的結末・答えを欲しがっちゃうから困る。ミステリー好きあるあるですね。(わたしだけか)

まぁ、あらすじさえちゃんと読んでいれば読む前に気付けたんですけどね。

桜庭作品は作家買いの対象なのであらすじには見向きもせず買っちゃうんで。

まっったく自慢にならないことをドヤ顔で言っちゃう(書いちゃう)痛いヤツはわたしです。

またまた話をもどしまして、月夜は18歳とは思えないくらいの幼さ。それも“甘さ”を加速させる要因かと思う。

甘すぎてクラクラするような妄想と感情の世界が、ゆらゆらふわふわ不安定な月夜の心情そのものを表していた。

この世界観についてはもう文字でどんなに説明するよりも、読んでもらったほうが早いと思います。(丸投げした)

甘ったるくてもなんでも、独特の大好きな桜庭ワールドには違いなく。

しっかり現実逃避したい方におススメです。

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です