エイジ/重松清 あらすじ 感想

夏休みの読書感想文は提出したことがありません
そのくせ今はこうやって感想ブログ書いてるんだから不思議ですね。
最近アクセスが増えまして(ありがとうございます 泣)、どうやら皆さん、
「〇〇(小説名) 感想文」
で検索して来てくれているようですね。参考になってます?(まさか)
なので今回は、そんな推定学生さんにぴったりな本を紹介しましょう。(誰だよ)




重松清「エイジ」 あらすじ・感想

エイジ (新潮文庫)



「エイジ」っていうのは主人公の名前です。勝手な解釈ですが「Age」とかけているのかな?

重松さんって、登場人物のあだ名がリアルなんですよね。どんなほめ方だよ。

ではあらすじから。ネタバレなしです。

ぼくの名前はエイジ。
東京郊外・桜ヶ丘ニュータウンにある中学の二年生。
その夏、町には連続通り魔事件が発生して、犯行は次第にエスカレートし、
ついに捕まった犯人は、同級生だった――。
その日から、何かがわからなくなった。
ぼくもいつか「キレて」しまうんだろうか?
……家族や友だち、好きになった女子への思いに揺れながら成長する少年のリアルな日常。
山本周五郎賞受賞作。

文庫本裏表紙より。

これは思春期真っ只中の少年が主人公のお話。
帯文に「中学生の頃に読みたかった本NO.1」とあります。
男兄弟の子どもを持つわたしとしては、少年の心情が大変参考になりました。思春期こわい。

では感想を。今回はネタバレありで書きます。しかし長くなるので詳しい内容は書きません。

わたしは女子(つっこまないで)なんで、男子の気持ちはわかりませんが、
なるほど思春期の男の子たちはこんな感じなんだろうというくらい、重松さんの描く「中学生」がリアル。
B級、C級とランクをつけてみたり。
もう冒頭のツカちゃんのふざけっぷりなんて、こんな男子いたわと思わずにいられない。
基本的にまだまだ幼さの残る年頃かな?
でもツカちゃん、かなりギリギリだ。きっと彼も彼なりに自分の中で整理をつけていくんだろう。
どうか負けないでほしい。

エイジに関しては、もちろん主人公なんで心理描写がある分、周りに比べると大人っぽい印象でした。
ツカちゃんといることで余計にエイジが落ち着いて見える。

しかしもっと大人なタモツくん。少し歪んで見えるけれど、彼はきっとそれを自覚している分さらに大人。

でも実際、ツカちゃんみたいなクラスメイトがいたのと同じで、
エイジやタモツくんみたいな男の子が、同じ教室にチラホラいたのかもしれない。その辺が重松さんのすごさ。

事件を起こした少年Aはエイジのクラスメイトで、おとなしい感じの男の子。
エイジは自分とその少年Aと何が違うのかと考えたりします。
で、エイジの考えの行き着く先は、「自分と少年Aは同じ」というところ。

家族にも友達にも言えない自分だけの苦悩があり、
ひとつ間違えれば自分も少年Aと同じことをしていたかもしれないという、自分の中に(もしかしたらみんなの中にも)ある”危うさ”をエイジはしっかり自覚し、
「自分と少年Aは同じだけど、自分はだいじょうぶだ」と、自分なりの答えをだす。
この過程もリアルに描かれています。”キレる”ということはどんなことなのか自分の中で解釈し、
感情の赴くままそれを実行していく、実感していく。
そしてギリギリのところでちゃんと結びなおしていきます。
自分をコントロールする力を身につけていくんです。

クラスメイトが起こした事件をきっかけに、エイジは自分と向き合い、「その気」の存在に気付きます。
きっとそこが「成長」に繋がる入り口で、エイジは自分と同様、友人ともきっちり向き合っていきます。

エイジの年頃で、あれだけちゃんと友人の中身を見つめて理解しようとしている子はいるのかな?

ツカちゃんのことを、優しいやつなんだとエイジが何度も実感するシーンは泣けちゃう。
ツカちゃん頑張れ。

けれど、こうやって書くのは簡単なんですけどね。
息子たちが思春期を迎えたとき、果たしてちゃんとわかってやれるのか。
何年か後にまた読み返したいですね。

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