あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。/汐見夏衛 あらすじ 感想

実はわたし、三姉妹の末っ子です。兄も一人いますけどね。

一番上の姉とは歳が離れているので甥っ子たちはもう高校生なんですけど、下の姉にはまだ2歳の男の子がいます。

姉は妊娠中から子育て真っ只中の今現在も、何かわからないことがあったらすぐわたしに電話してきます。

微熱あるんだけど病院連れて行ったほうがいい?
最近白ご飯食べないんだけどなんでかな?
ブツブツでてるんだけど何だろう?
ほっぺ赤いんだけどりんご病かな?これで保育園行っても大丈夫かな?
手足口病で口が痛いって泣いてるんだけどどうしたらいいかな?
(全部こどものことです)

みたいな。こういう電話がしょっちゅう。しかも朝っぱらとかザラです。

まぁね、わたし一応先輩ママだけどさ。“子育て”のことならアドバイスするけどさ。

体調関係のことは正直責任取れないからね?

何より姉よ、君は現役の看護士だろう。しっかりしてくれー。





汐見夏衛 「あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。」 あらすじ・感想

あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。 [ 汐見夏衛 ]

これはインスタでフォロワ-さんがおすすめしてくださった本です。

本屋さんになくてネットで買おうかなと思っていたら、たまたま出先の別の書店で発見。

読みやすくてその日のうちに読了しました。



ではまずあらすじから。ネタバレなしです。

親や学校、すべてにイライラした毎日を送る中2の百合。
母親とケンカをして家を飛び出し、目をさますとそこは70年前、戦時中の日本だった。
偶然通りかかった彰に助けられ、彼と過ごす日々の中、百合は彰の誠実さと優しさに惹かれていく。
しかし、彼は特攻隊員で、ほどなく命を懸けて戦地に飛び立つ運命だったー。
のちに百合は、期せずして彰の本当の想いを知る…。
涙なくしては読めない、怒涛のラストは圧巻!

「BOOK」データベースより



出版社のスターツさんは、「ケータイ小説」の印象が強いです。

実を言うと、ラノベよりさらに苦手なのが「ケータイ小説」です。もう「小説」とは別物だと思ってます。

自分ではきっと選ばなかった本だと思うので、おススメしてくださったことによって読めたこと、とても嬉しいです。





ではではここから感想です。ネタバレなしです。

これはぜひとも中高生の皆さんに読んでもらいたいです。

小学生でも高学年なら大丈夫。

タイトルから甘酸っぱい恋愛ものかと捉えがちですが、題材に戦争を扱っています。

叶わない恋をベースに戦争ものを選んだ、というよりは、むしろ作者さんが描きたかったのは戦争の残酷さのほうなのかなと思いました。

若い世代の皆さんにおススメする理由はそこです。

戦争を始めた国への怒り、何の疑問も持たずまっすぐに命を捧げ、「生きたい」と声をあげない当時の人々へのもどかしさ。

そういうものが主人公を通してひしひしと伝わってきました。

恋愛の描写よりもそちらの感情のほうが丁寧に描かれていたので、ちょっと意外でしたね。

(「ケータイ小説」にわたしがどんなイメージを抱いているかはお察しの通りです。)

ベタベタ甘ったるく幼い恋愛ものが苦手なわたしにはとても助かりました。←

すこしずつ寄り添っていくように縮まる二人の距離も自然で、戦時中という雰囲気も決して壊しません。

途中で描かれる空襲のシーンでは、作者さんの“本気度”が伝わりました。(なんだか上から目線ですみません)

二人が心を通わせるシーンよりも、「ここが描きたかったんだ」「この残酷さを伝えたいんだ」って気持ちが伝わってくるような筆力。

(誤解のないように書いておきますけど、残忍な描写を楽しんで書かれてますよってことじゃないですからね。)

ここから上から目線ついでにさらに失礼なことを書きますが許してください。批判じゃないです。

文章力や描写、表現力は正直拙いと思いました。

初読み作家さんはどうしても文章や単語の使い方にも注目して読んじゃうのと、自分が結構いい歳した大人ってことも相まって、やっぱりそこはかなり気になりました。

たぶん作者さんもそこの未熟さが露見しないように気を遣ったんだろうなと思う。そういう書き方だった。(どんなだよ)

すごく丁寧に文章を作られているし、言い回しや言葉選びにも神経を遣われたんだろうなという印象。

でもいかんせん、物足りない。淡白で単調で、表現に奥行きがなくて。

それが読みやすさのひとつでもあるんだけど、物語の中身だけじゃなくて文章も楽しみたい派としては少し残念な部分でもありました。

全体的にそういう描写の中、一番臨場感があって勢いや想いが伝わってきたのがさっき書いた“空襲のシーン”です。

ここだけ飛びぬけてたので、あぁ、作者さんは戦争にとても怒っている、悲しんでいる、許せないんだな、と。読みとれました。勝手な印象ですが。ほんとすみません。

あらすじにある、涙なくしては読めないラスト。タイトルにも繋がって、綺麗なラストでした。

号泣するにはわたしは大人すぎたのと、心が擦れすぎていたので(自分で言ってて虚しい)ちょっとそれは味わえませんでしたが、この主人公と同世代、そして同じような苛立ちを抱えた女の子たちにはぴったりなんじゃないのかなと思います。

わたしもあの頃に戻って純粋に泣いてみたい。いつからこんなひねくれものに。

学生の頃に読みたかった一冊。

でも今だから見えるものもきっとあると信じて、わたしはまた今日も明日もあさっても本を読もうと思います。(何の話)

そしてこんな、「本を読む」というなんでもないことが幸せなんだなと。

そういう何気ない幸せが傍らにいつもあるのは、戦争という時代を生き抜いてこられた方々のおかげでもある。

最後になりましたが、この本をおススメしてくださったフォロワーさん、本当にありがとうございました。

おすすめ本だからと言ってべた褒めするだけっていうのもなんだか違うなと思ったので、いつものように好きなように感想を書かせていただきました。

もし不快に思われましたら申し訳ないです。

フォロワーさんにとって大切な一冊を共有させていただき、本当に感謝しています。

ありがとうございました。

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