とにかくうちに帰ります/津村記久子 あらすじ 感想

地元が嫌いです。突然の重めのカミングアウト。

二年くらい前、旦那の転勤先からわたしの地元へ戻ってきた。

戻ってすぐ気付いたのは、相変わらず治安が悪い。マナーが悪い。雰囲気が悪い。

二年離れてたせいですっかり忘れていた、匂い、空気、湿度。

いや、紛れもなくわたしもここで生まれ育ったのだけど。

この町の雰囲気が苦手。この町の人たちが持つ、独特の威圧感と無遠慮さが苦手。

二年間だけ過ごした転勤先の土地のほうが、ずっとずっと人が穏やかだった。

子どもたちが大きくなって独立したら、旦那と別の町で暮らしたいな。

それまで地元で平和に生き抜くことがわたしの目標です。(こわっ)





津村記久子 「とにかくうちに帰ります」 あらすじ・感想

初読み作家さん。インスタでよく流れてきてたので購入。

とっても人を惹きつけるタイトルだと思わない?

ではでは早速あらすじから。ネタバレなしです。


うちに帰りたい。切ないぐらいに、恋をするように、うちに帰りたい―。職場のおじさんに文房具を返してもらえない時。微妙な成績のフィギュアスケート選手を応援する時。そして、豪雨で交通手段を失った日、長い長い橋をわたって家に向かう時。それぞれの瞬間がはらむ悲哀と矜持、小さなぶつかり合いと結びつきを丹念に綴って、働き・悩み・歩き続ける人の共感を呼びさます六篇。

「BOOK」データベースより



もちろんミステリーではありません。

自分だけでは手に取らないジャンルなんで、インスタ始めてほんと幅が広がったなぁと思う。

そしてとっても影響されやすい自分を再確認する日々。(?)

みんなが読んでるものはわたしも読みたい。

ミーハーがすぎる。





ではここから感想を。ネタバレなしです。

ちょっとした短編集。(なに、ちょっとしたって)

単純に面白かったです。

ハラハラドキドキっていう面白さではもちろんないけど、楽しい世界でした。

ページ数も少ないので気軽に。

ハードなミステリーを立て続けに読んで疲れきっていた心が癒された。

好き好んでハードなものを読んでるくせに、心はちゃんと疲れるんですよねー。



まず最初は“職場の作法”と銘打って、オフィスの人間関係や日常の“あるある”を連作短編で描いてます。

ほんとなんてことない日常や瞬間を切り取ったお話なんだけど、退屈さが全くない。

淡々と読みつつ、その淡さやくだらなさが心地よかったりする。

文章自体は特に好みではなかったけど飽きずに読み進められた。

こういうタッチの物語は人気があるんだろうなとふと思った。

なんせ読んでいて疲れない。

心が重くならない。心が疲れない。

“趣味”として楽しむ“読書”とはこういうことなんじゃないかなって。

ふと思った。ただの個人的イメージだけど。

ミステリーは大好物だけどやっぱり疲れる。どんなに面白くても。

でもこの本は疲れとは無縁。息抜き、気分転換、にピッタリ。

わたしのほしい“現実逃避”にはならないけども。

で、表題作「とにかくうちに帰ります」は、いちばん最後に収録。

豪雨の中、帰宅困難となったいくつかの人々をそれぞれの視点で描いていますが、どの人にも共通の感情が。

それが「とにかくうちに帰ります」

もうとにかくうちに帰りたいの。どの人も。

読んでるとこっちまでうちに帰りたくなる。うちで読んでるのに。

絶対誰しも同じ気持ちになったこと一回はあるはずで、その時の感情を鮮やかに蘇らせてくれる。

だから共感しかない。

そしてその共感が心地良い。

もうタイトルに惹かれて手に取った時点で、動機は“共感したい”っていう欲求なんだろうと思う。

“そうそう”“うんうん”って頷きたいっていう欲求を解消してくれるのがわかってるから無性に読んでみたくなったのかも。

だってみんな絶対思ったことあるでしょ。

とにかくうちに帰りますって。

わたしもある。何回もある。

普段あんまり読書に“共感”を求めない性質だけど、今回は特別だったかも。

やっぱほら、心が疲れてたから。(やたら推す)

“共感”って、心を癒してくれる最適なものだったりするもんね。

まぁ、そんな感じで。みなさんもぜひ。(どんな〆かただよ)

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